公務員の仕事に関する話題を独自の視点から解説!!~経験を武器に生の情報を提供します~

地方公務員、国家公務員の両方の経験を基に、公務員の仕事内容、仕事術、仕事環境、働く人の人間性など多岐にわたる話題を独自の視点で書き連ねます。公務員受験生にとっても、勉強の合間にも気軽に読めるお役立ちブログです。

公務員が担う産業振興に関する仕事をさらに詳しく経験をもとに紹介!!地域経済の振興、ひいては日本全体にも影響を与えうる話題性もある仕事!~補助金業務編~

 長らくブログを更新しておりませんでしたが、いよいよ産業分野における具体的な業務について、紹介していきたいと思います。

 

f:id:khcontinue3741:20171103205959j:plain

 

補助金業務

 

 補助金とは、各組織の財源の中から、特定の基準や条件を満たしている者に対して、お金を交付する事業というのが、ざっくりとした概要になります。ですので、産業分野だけに限らず、いろんな分野で補助金事業を行っています。いわば、補助金事業は、公務員の仕事の中で一番感謝される仕事の一つではないかと思います

 

 さて、産業分野における補助金業務の一番の趣旨は、地域の有望な製品、技術の開発を行う企業を資金的に援助することにより、地域の経済を活性化させることです。また、資金的に援助することで、その地域に企業が進出しやすくなるので、企業誘致にもつながります。

そういったことから、各組織で核となる事業として、位置付けられていることが多いです。やはり、なんといってもお金に関する話ですので。

 

産業分野の場合は企業に対しての補助金が多くを占めますので、公務員の仕事では、中々会えないような、人にも会えたりします。

例えば、地域で、新しいビジネスを立ち上げたベンチャーの起業家や、大手企業の幹部など、様々な方が考えられます。こういった出会いの中で、刺激的なドラマが繰り広げられるわけですので、その仕事を一つずつご紹介していきます。

 

1.補助金のスキームの作成

 まず、補助金事業の枠組みを検討します。補助金事業をするにしてもいろいろ決めることがあります。

〇趣旨

 ベンチャー企業の掘り起こしを行うため、創業者に対して資金を投下する、革新的な技術を開発している事業者に対して資金を投下する、町おこしに資する取り組みに対して、資金提供を行うなど、様々なニーズに応じた趣旨を決める必要があります。

〇条件の設定

 〇〇市、〇〇県に本社または支社を持つ企業のみが申請可能とする場合や、または、2,3年以内に進出することが決まっている、または検討していることを条件とするなど、申請企業の条件などを決めます。

また、申請金額の上限なども決める必要があります。これは、各事業の予算にもよりますが、例えば、予算上限が、1億円あるとして、大体何社くらいの申請がありそうか過去の実績等から積算します。5社程度を採択しようと考えた場合は、割る5で、一社につき2500万というような感じで、上限金額を決定します。

また、〇〇市に本社がある企業は、事業総額の3/4、域外企業は1/4などと決めます。事業総額が2000万円で、〇〇市に本社がある企業がいれば、1500万円の補助金をうけとることができるというような形です。これは、上限金額の2000万円を越えていませんので、条件も満たしていることになります。こういう風に事業の特性に応じて様々な枠組みを決めます。

2.公募要領の作成

 公募するにあたっての、要項や要領を作成して、HPなどに公開して、補助金を活用する事業者を募集します。要項や要領を作成するにあたっては、先ほど紹介したスキームを参考にしながら、条件、申請上限金額だけでなく、どのような事業経費が、認められるのか、審査のスケジュールや、検査の日程など、申請を検討する事業者が、事前に知っておくべきことを、詳しく記載することを意識しながら、作成していきます。ここで、認識の齟齬があると、補助金を活用する事業者の事業計画に影響を与えることになるので、慎重に作成していきます。例えば、公募要領の書き方が悪いと、認められる経費と認められない経費が曖昧になり、採択後に、事業進めていく事業者が混乱することになります。

 中小企業庁のHPに公募要領が乗っているので、参考いただければ、どんなものを作成するのかイメージが湧きやすいかと思います。

 http://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/2017/170810machinakakoten.htm

 

3.申請書の確認

 公募を開始すると、いろいろな企業から、申請書が提出されたり、事前の相談に多くの企業が役所を訪れます。相談に来る内容としては、

「申請書の書き方がわからない」

「事業内容が条件に合致しているのかどうか」

「具体的にどのような事業経費が認められるのか」

「審査に通る可能性は?」

「事業内容のPRを兼ねた挨拶」

などが多いです。

また、補助金事業の種類によっては、100件以上など、数多くの申請が上がってくるものもあるため、申請書の確認や事業相談などを、外部のコンサル機関等に委託してしまうこともあります。外部に委託した場合でも、委託事業者が、きちんと申請を処理できるよう、こまめに連絡調整を図りながら、かじ取りを行う必要があります。この申請書の確認作業は、一番最初の入り口なので、非常に重要な仕事になります。

 

4.審査会

 申請書の受付が完了したのち、審査会の準備に入ります。もちろんですが、予算の上限との兼ね合いもありますので、申請してきた企業全社が補助金を受けることができるわけではなく、事業内容を審査したうえで、絞り込みを行う必要があります。この作業を審査会の中で行っていきます。具体的には、外部有識者(工業会、医師会、大学、国の役人など)を集めた場で、申請事業者がプレゼンテーションを行い、事業内容を採点し、採択する企業を決める作業です。審査会の開催を調整する作業は、かなり骨の折れる作業といえます。

作業としては以下になります。

①    審査会に参加する委員(外部有識者)などの連絡調整

日程調整だけでなく、審査するにあたっての事業内容の説明や、申請企業の概要などを、説明する必要があります。外部有識者は、各界、各層の著名な方にお願いすることが多いので、非常に忙しい人が多く、また、中には多少気難しい人もいるため、扱いを間違えるととんでもないことになります。かなり気を遣いながら進めることになります。調整はほかにも、当日の弁当の手配、審査会会場までの交通手段の確保、タイムスケジュールの提示、当日の資料作成、司会進行など、やることは山ほどあり、それらを完璧にこなす必要があります。

②    審査会へ参加する企業への連絡調整

当日のプレゼンテーションまでに、審査会に参加する企業へ、当日のスケジュールや、資料の集約など、必要な調整を十分に行う必要があります。この連絡調整がうまくいかないと、企業との軋轢を生むことになります。

③    審査会後の採択企業への連絡

審査会での採択企業の決定後に、企業へ連絡します。

 

f:id:khcontinue3741:20171103210135j:plain

5.補助金の支出までの流れ

 補助金の企業への支払いは、原則、すべての事業が完了した後になりますので、年度末に支払うことになります。この支払うまでにも様々な業務を処理しなければなりません。

①    事業の進捗管理

 補助金に採択されたということは、貴重な財源をその企業に支払うことになるので、適切に事業を進めていくか管理していかなければ、補助金の支出が無駄になってしまいます。そのために、企業との定期的なヒアリング等を実施し、事業の進捗状況について、聞き取りを行う必要があります。採択企業が多ければ、外部の専門家などを事業の管理マネージャーとして雇ったり、委託したりして、定期的な管理をさせることもあります。いずれにしても、担当職員が、状況を把握しておかなければなりません。

②    経費の精査

 年度末に補助金を支出すると先ほど述べましたが、年度末にすべての経費が正しく計上されているかをまとめてやるとなると、かなり膨大な作業になりますし、年度末に補助金に計上できない経費を支出しまっていることがわかっても、後戻りすることがかなり厳しい状況になり得ますので、定期的にこれも確認する必要があります。経費は、消耗品費、備品費、研究開発費、外注費、委託費、人件費、間接経費などがあげられますが、それぞれの項目について、必要な書類がそろっているか、適切に支出されているかを丁寧に確認していきます。例えば、消耗品等であれば、合い見積もり(2社以上から見積をもらうこと)がなされているか、発注書、納品書、請求書、領収書がきちんと保管されているか、委託費であれば、委託契約がきちんと結ばれているか、事業者に不利な内容になっていないか、委託契約の相手方に便宜供与するような内容になっていないかなど、様々なことを確認します。これも、事業進捗管理と同様に、専門家に委託することもありますが、担当職員もきちんと状況を把握しておく必要があります。頻繁に委託者と連絡を取りながら、対応していく必要があります。

③    補助金の支出手続き

 上述した作業をすべて終えたのちに、年度末に最終的な取りまとめを行い、支出手続きに移ります。この支出作業は、各企業の書類が整っていれば、スムーズに進めることができます。各省庁や、自治体組織のシステムにのっとって、支払いを行います。支出の件数が多ければ、多いほど、作業量が当然増えるので、スケジュールの管理が重要になります。企業へも事前に必要書類の概要をきちんと伝えておかないと、支払いが遅れ、トラブルのもとになるので、スケジュールの管理が重要になります。

④    事業成果のPR業務

 税金を使って、企業に補助金を出しているのに、どんな成果が上がったか社会に知らせていき、還元していかなければ、補助金事業が何の意味も持ちません。そこで、補助金を活用した事業者に事業成果を発表してもらうような場を設けたり、展示会への出展をあっせんしたり、ビジネスマッチング会を開催したりする業務を行います。

(ⅰ)成果発表会

 企業へ連絡して、プレゼンテーションの実施を依頼し、資料の作成をお願いします。また、外部の有識者などにも連絡して、祝辞をいただいたり、大臣、政務官、局長、知事などの要職の出席を調整したり、会が盛大に実施され、マスコミにも広く取り上げてもらえるようなことを実施する必要があります。

(ⅱ)展示会への出展

 出展を希望する企業の取りまとめを行い、取りまとめて出展する企画を行います。展示会にいったことがある方はわかるかと思いますが、良く「〇〇省〇〇事業を活用した企業の紹介」などと銘打って、展示しているのを見かけることが多いかと思いますが、その企画がこれに当たります。興味のある方は見に行ってみていください。

(ⅲ)ビジネスマッチング会

 補助金を使って開発したものや、部品などをほかの企業などに売り込み、事業化、ビジネス化につなげる取り組みです。外部の専門家に任せることが多いです。

f:id:khcontinue3741:20171103210233j:plain

 

 以上が具体的な内容です。次回は、イベント企画などの業務について、紹介していきます!お楽しみに!!